Japan Arts

07/14/16 (Thu)  Open Time 18:30 / Play Start 19:00
Tokyo Opera City Concert Hall (Tokyo) map

Alexander Gavrylyuk Piano Recital

Alexander Gavrylyuk, Piano


Schubert
Sonata in A major, D 664

Chopin
Fantasy in f minor op. 49
Nocturne op. 48 no. 1
Polonaise op. 53 in A flat major

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Pictures at an Exhibition


▼シンフォニックに飛翔するガヴリリュクの「展覧会の絵」
2015年12月、第9回となる浜松国際ピアノコンクールがまた気鋭の新人を世界に送り出して終幕したが、2000年の第4回大会で、アレクサンダー・ガヴリリュクが「20世紀後半最高の16歳」と評され、圧倒的な優勝を遂げてからもう15年以上が経つ。しかしながらコンクールはあくまで世に出るためのひとつの手段であり、それが音楽家の資質のすべてではない。それを一旦意識の外に置き、結果に甘んじることなく、音楽そのものに真摯に対峙する過酷な挑戦を続けることこそ、音楽家に課せられた使命でもある。それを証明するかのように、ガヴリリュクはこれまで次々と新たなレパートリーに立ち向かい、深々とした譜読み、作曲家や作品の成立背景の探究を欠かさず、大いなる共感をもって演奏活動を展開してきたのである。
そして2005年の来日公演に選んだのは、ムソルグスキー「展覧会の絵」。その演奏たるや鮮烈にして圧巻。濃密なロシア情緒と重々しい力感、原色的な色彩感に彩られた情景描写はまさに四望開豁として行く手を遮るものはない。颯爽とした疾走感、雄渾なダイナミズムはガヴリリュクの独壇場であり、さらに「キエフの大門」では「鐘」の部分で左手和音を1オクターヴ下に取って壮大なスケールを表出、それに続く静かなコラールとのコントラストはまさに極上の愉悦であった。
 その「展覧会の絵」をまたガヴリリュクが聴かせてくれる。今回はシューベルトとショパンとの組み合わせ。2015年1月の来日リサイタルで弾いたブラームスやリスト、サン=サーンスなどでも恐るべきヴィルトゥオージティと比類ない音楽的感興を紡いだだけに、今回もガヴリリュク特有の玲瓏なロマンティシズムが悠揚と立ち昇ることは疑いがない。そして30歳を超えたガヴリリュクによる「展覧会の絵」は10年の時を経て、どれほど音楽的に成熟しているのか、どれほどシンフォニックに飛翔するのか、来日まで心のときめきを抑えきれない。

真嶋雄大(音楽評論家)


S席:6,400円(5,800円)/A席:5,400円(4,800円)/B席:4,300円(3,800円)

主催者HP https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=406